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心理学に関するたくさんの本を読んで、いろんなテクニックを知っているのに、
実生活に本当に役立っているかといえば、
「?」と答える人はかなりの数に上るはずです。
実はこのように、心理学が役に立たないと思う原因には、
心理学を用いた思考プロスセに、大きな要素が抜け落ちている
という事に気が付いていないからなのです。
それが、「知識(常識)」「経験(気付き)」「推理力」の3つの要素です。
それでは、以下の例文をご覧下さい。
例えばあなたが、知人と話をしているとします。
しばらくして、知人は時計に目をやる回数が増えてきました。
この時、あなたは知人のこの行動に対して、
次の「推理」を行なう事ができます。
(1)次に急ぎの用事があり時間がないのを気にしている
(2)あなたとの会話に退屈している
(3)時計が珍しいものであり、気になっている
これだけだと、一体どれが正解かわかりませんので、
更に範囲を絞る必要があります。
そこで、最も行ないやすいのは、あなたもその時計を見てみる事です。
しかし、時計はどこにでもあるような普通の時計であったとします。
ここで、(3)の可能性はとりあえず無し、という事ができます。
そして、ここから(1)と(2)のどちらが知人の心理状態かを
特定できるような情報が必要になります。
この時、知人が貧乏ゆすりをしていたとしましょう。
貧乏ゆすりという行為は、心理学的には「私は退屈しているよ」
という事を無意識に表現していると言われています。
そこで、この心理学の「知識」を知っていたあなたは、
彼の今の心理状態が「退屈である」といえるのです。
ですが、ここで「僕の話に飽きてるんだ…」と早合点してはいけません。
なぜなら、まだ(1)の可能性も否定できないからです。
そして、その可能性があるかないかは、次の質問で、判断できます。
それは、「今日はこれから何か予定がありますか?」という質問です。
ここで相手が「ちょっとこれから大事な会議があるので」と答えれば、
その時点で、彼が時計を気にしていた理由が、
(1)時間に追われていたという事に決定されます。
一方、「いや、特に予定はないよ」と答えれば、(1)の可能性は否定され、
知人はあなたとの会話に退屈していると決定できるのです。
ですから、あなたは今の会話をもっと面白くしようと努力すればよいのです。
このように文章にすると、長い文章になってしまいますが、
実際には、これだけの判断を一瞬で行なわなければなりません。
そこで、これだけの判断を行なうため、相手のちょっとした変化も逃さない、
鋭い気付きを起こすために、過去に何回も似たような状況を繰り返した「経験」
が必要となるのです。
以上のように、心理学の知識を実際の生活に役立てようと思ったら、
単に「知っている」だけでは、限界があります。
本当に相手の気持ちを知りたいと思ったならば、「常識」を「筋道を立てて」、
その上であなたが知っている心理学の「知識」を活用しなければならないのです。
※今日は、ポケット心理学の本来の内容と大分かけはなれてしまいまいした。
結局は、知識を生かすか殺すかは、その人の考え方次第という事になります。
また次回より通常通りの発行を行ないます!
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