|
村の人間にいつも「オオカミが来るぞ!」と、ウソを付き続けて
いた少年が、本当にオオカミがやってきたときに、誰にも信じて
もらえなかった「オオカミ少年」の話は誰もが知っていると思い
ます。
普段からウソばかりつく人間が信用されないのは当然の事ですが、
では、逆にいつも真面目に正直な人間がウソをついてしまった時、
人はどのような反応を示すのでしょう。
では、参考に以下の実験をお読み下さい。
●被験者を二つのグループに分け、どちらのグループにも、小・
中・大の警報が実験中に鳴り、大の警報の時には強い電気ショ
ックを与えられると伝えます。
そして、片方のグループには、「小」警報が鳴った直後に、そ
れが誤報であったと報告し、もう一方のグループには、「大」
警報がなった直後に、それが誤報であったと報告しました。
その結果、「大」警報が誤報であった場合の方が、2回目に同じ
シチュエーションで実験を行なった際、警報に対する信頼度が
大きく低下する傾向がみられました。
また、もう一つの実験では、警報が鳴ったら実際に電気ショッ
クが与えられる確率を5%・50%・100%と設定したところ、確
率が大きくなるほど、警報に対する信頼度が低下する傾向がみ
られました。【ブレツニッツ 1984】
●普通の人なら、電気ショックを受けるという事は、差し迫った恐
怖感を感じるはずです。
ですから、唯一の信頼していた警報が誤報だとなると、身を守ろ
うとする心理から、一度でも不確実だった情報を切り捨てようと
しすると考えられます。
また、信頼度の高い情報は、相手もその情報を根拠に行動を移す
可能性が高いため、それが誤りであると分かると、自分が費やし
た労力の分だけ振り回されたと感じ、同じ失敗を繰り返す事を嫌
うためだと考えられます。
さて、冒頭のオオカミ少年の話ですが、少年は村のみんなの生活
に関わる事態に、誤った情報を流したがために、信用をなくして
しまった事は、お分かりいただけたと思います。
ところが、逆にこの実験から、真面目な人間であればあるほど、
一つの小さなミスが本人の信用を大きく傷つけるという事も読み
取れます。
会社でで言えば、大きな企業になればなるほど、社会的な信用は
大きくなります。
それだけに、ちょっとしたミスも、それがばれてしまった時の代
償は計り知れないほど深刻になるのです。
大企業では、ほんの些細な事でも、社内で問題として捉えるのは、
こういう理由があるからです。
普段、周囲から信頼されている人ほど、自分の言動に常に責任を持
ち、慎重に行動を起こさなければ、ちょっとした小さな過ちが原因
で、取り返しのつかない事態を引き起こす危険性をはらんでいるの
です。
※ところで、政治家の皆さんは、公約を実行しなくても意外に支持率が下がらな
い事があります。実は、これって、国民にはじめから信用されてないからだと、
とれなくもないですね??
|
|
|