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今朝の出来事ですが、車数台が、信号が赤に変わろうとする直前
に突っ込んで、右にも左にも曲がれず交差点に取り残され、他の
車の障害物となり、大渋滞を引き起こしていました。
と、いうことで今回のテーマは、今日感じた出来事について、似た
ような実験がありましたので、それを参考にしたいと思います。
●15人の被験者を1グループとして、びんの中から糸につけられた
おもりを取り出すという課題を与えます。
ちなみにおもりは、一人ずつしか取り出せず、1分間の制限時間
内に全員が取り出さなければなりません。
さらに、実験開始と同時に、びんの下から水が注入されてきて、
被験者の焦りをあおるような仕掛けとしました。
この時、グループが2つに分けられ以下のような条件で実験を行いました。
A…制限時間内におもりを取り出した被験者には報酬が与えられ、
失敗すると罰金が課せられる。
B…この実験が「協調性」の能力を測定するものだと伝え、
被験者どうしの協力を促す。
その結果、Aでは、個々の被験者が、我先におもりを取り出そうと
して、ふたのところで詰まってしまうケースがほとんどで、15回中
12回課題に失敗しました。
一方Bでは、お互いが順序を決めて、落ち着いておもりを取り出し、
ほとんどのケースで成功しました。
この結果から、混雑・パニックは、恐怖や興奮よりも「アメとムチ」
のような報酬形態が原因していると結論付けられました。
【ミンツ 1951】
●昔、地下鉄のホームで火災が発生したときに、みんなが出口に
殺到し、結局は階段付近で身動きがとれなくなり、誰も助から
なかったという事件がおこりました。
これは一人一人がまず先に「自分が助かりたい」という気持ち
を優先させたためという見方があります。
「ホームから脱出しなければ、死んでしまう」という、究極の
「アメとムチ」の選択では、誰もが「アメ」という選択をとる
と思います。
しかし、それは結局、誰かが犠牲にならなければならないとい
う、厳しい現実を示唆しています。
また、営業マンや、水商売など、売上報酬制を採用している会
社では、自分の売上を伸ばそうとするために、ほかの同僚の足
を引っ張りあうことになり、結果的に会社全体の売上を落とし
ているケースもあります。
どちらの例でも、個人の利益を追求しすぎる事は、集団としての利
益を損なうというジレンマを抱えているのです。
そのような事を防ぐには、協調性を促すような報酬形態を考えてみ
ればよいかもしれません。
(たとえば、営業マン全員が一定のノルマを達成したときに、売上
報酬を与えるなど)
「ひとりはみんなのために」
昔、クサイと思っていたセリフが、今日は何となく意味のある言葉に
感じました。
※今日の実験は、パニックについての古典実験ですが、いろいろと考えさせれられました。
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