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私たちは普段、他人とコミュニケーションをはかる際、ちょっ
と腹が立つ事があっても、そんな自分をぐっとこらえて、愛想
よくしようと心がけています。
それは、自分の気持ちをストレートに打ち明けると、お互いが
衝突してしまうだろうという事が分かっているからです。
このように日常生活で私たちは、本来の自分を隠し、まるで別
の人格の人間であるかのように振舞っています。
このように、本当の自分の「素」の姿を出さず、意識的に利用
する、別の「仮面」のような人格を、ユング心理学では「ペル
ソナ」と言います。
社会で生きていく上では、いろんなタイプの人間と関わってい
かなければならず、真正直に自分をさらけ出す事がマイナスに
作用する場合が多いため、私たちは「仕事用の人格」「家庭用
の人格」などと、ペルソナを上手く使い分けて生きています。
しかし、ペルソナを使いすぎ、本当の自分をいつも隠そうとす
る事は、無意識に自分というものを、押し殺してしまっている
ことになります。
例えば、今まで真面目だと思っていた人が、何かのきっかけで、
急にいい加減な言動をとり、周囲をびっくりさせてしまう事が
あります。
このような場合、この人の「いい加減な性格」こそが、本来の
自分の姿で、「真面目」と周囲が思っていた性格が、仮面のペ
ルソナ、ということになります。
これは、今までその人がかぶっていたペルソナという仮面に、
本来の自分が押しつぶされそうになり、無意識に自分という存
在を守ろうとした結果だと説明する事ができます。
※人間関係を円滑にするためには、ある程度相手と合わせることも
大切ですが、それが自分にとって負担だと感じるまで、合わせる必
要は決してないと思います。
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